488 名前:ほんわか名無しさん[sage] 投稿日:2006/03/30(木) 04:25:28 O
高校で野球部に入った俺。未経験者は俺一人だったけど、
まあ楽しくやれれば良いや、と気楽な気持ちだった。
1年の秋。
一年生エースが肩を故障して長期離脱。
当時補欠にさえなれなかった俺に、そいつのリハビリの手伝いが命じられた。
毎日、別スケジュールで練習するそいつに付き合う日々。
でも、そいつのチームにとっての重要性を考えたら、いやとは言えなかった。
二年の秋。
九月十五日、俺の名前が初めてメンバー表に載っていた。
―背番号8番。その日から、七番センターが俺の定位置になった。
489 名前:ほんわか名無しさん[sage] 投稿日:2006/03/30(木) 04:26:13 O
そして、最後の夏。
甲子園の土は踏めなかった。
優勝候補の一角とも騒がれた俺たちだったけれど、
結局優勝は、他県から選手を集めた私立校がもっていった。
―その、最後の試合、最後のアウトの時。
俺を泣かせたのは、負けた悔しさじゃなかった。
それは、背番号1のアイツの声。
アリガトウでも、ゴメンでもない、まったく不意打ちの言葉。
―――楽しかったな。お前と、野球がやれて良かった。
今でも、あの時のことを話し合うときがある。
そんな時は決まって酔っ払った時で、笑い話として話す事が多いけど、
それでもあの日以来、この言葉が、俺たち二人の合言葉になった。
うほっ